短絡等の大電流放電の停止

過電流保護は外部短絡等の事故により大電流が流れ続けることを阻止します
通常は電流検出のために放電スイッチ用のFETのON抵抗での電圧をドロップし設定値を超えたときに停止します
例えばノートパソコン用のパックでは最大放電電流が3A程度とすると過電流保護電流はその2倍から3倍程度が一般的で過電流保護に遅延は設けません

以上の3種類の保護を行うために、いくつかのメーカーから発売されている標準の保護ICを使うことが一般的です
標準ICは単セル(1直)用、2直用、3直及び4直用が一般的ですがそれより多直の場合はこれらを組み合わせて使うことも可能です
7直であれば単セル用を7個に分けて保護を行う方法もあります
充電用及び放電用のスイッチに使われるFETは全電圧に耐える必要があります

保護回路で故障や誤動作をゼロにすることはできないため携帯電話用などのバッテリーパックを除き二重の保護が必要です
1つ目の保護回路がメインとなり、2つ目の保護機能はメインの保護機能が動作しないときに保護を行います
2つ目の保護回路は動作後にリチウムイオンバッテリーの機能が回復しなくなるので注意してください
ヒューズ(電流、温度等)を保護機能にする場合、ヒューズが断線すればバッテリーパックは機能しなくなります

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