リチウムイオン電池の個体差について
2021/04/16
リチウムイオン電池のセルバランスについてはantenna1stのページで紹介されていますが
今回はなぜセルバランスが必要かを簡単に説明したいと思います
リチウムイオン電池は有機溶剤系電解液に使用していますが
他の電池(鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッカド電池)は水溶性電解液を使用しています
電解液はリチウムをイオン化するための液体となり
水溶性電解液は発火することはありませんが有機溶剤は可燃性なので液もれ等で発火する可能性があります
記憶にあるかもしれませんが787の発火事故もリチウムイオンバッテリーが原因でした
現在の国内製リチウムイオン電池は前回記載したように安全回路を搭載しています
ガス抜き用の安全弁やセパレータがその安全回路となります
リチウムイオン電池メーカーでは内部セパレータの破壊試験や安全弁の機能テストを十分行っていますので
現在使用されているリチウムイオン電池であれば危険性は少ないと考えます
バッテリーパックを開けて交換する際にも注意が必要となります
バッテリーは高価ですが消耗品ですので不要なリチウムイオン電池を分解して新しいバッテリーを組んだり
古いリチウムイオン電池の一部のみを新しい電池に交換することも止めた方が良いです
新品と中古品では放電性能や内部劣化に差があるために充放電を繰り返した時に問題が起きる可能性があります
新品のリチウムイオン電池間でも個体差がありますが国内メーカー製であれば問題になることはほぼありません
某隣国メーカー製の電池では個体差が著しく大きい場合もあるので注意をしてください
中古のリチウムイオン電池を組合わせた場合、個体差が大きくなり故障や最悪、発火する恐れがあります
リチウムイオン電池を組む場合は個体差をそろえる為、同一メーカー、同一ロットでそろえてみてください