リチウムイオンバッテリー放電用可変負荷装置の作成
2021/04/16
バッテリーの放電試験を行う際に必要な測定機器として電子負荷装置があります
任意の消費電力を設定でき放電スピードをコントロールできる事が特徴の測定機器です
有名なところでは計測技術研究所、NF回路設計ブロック、菊水電子工業、テクシオテクノロジー等があります
この測定器ですが消費電力が大きいものは負荷装置として見れば非常に高価と自分は考えます
金額をケチって小さいモデルを購入した事もありますが、結論としてお勧めいたしません
突入電流が流れた場合に簡単に壊れてしまう恐れがあるからです
今回は個人での使用や実験環境での使用を考慮した電子負荷をアナログ回路で製作しました
個人的にデジタルは嫌いなのでメーターも全てアナログで統一した仕様となっております
1:負荷生成回路
可変負荷にはレオスタット2個直列に接続してを使用しています
レオスタットとは抵抗体の一端と可動接点との間のみを使用する、2端子型の可変抵抗器をレオスタットと呼びます
現在はあまり製造もされておらず、一部Nゲージ等で使用している方がいるようです
レオスタットの回路図
並列にメタルクラッド抵抗が接続されておりスイッチでの切り替えが可能です
一定負荷での挙動を確認する際に必要な機能となります
WEBを見るとセメント抵抗で作っている方も見かけますが放熱の関係でメタルクラッド抵抗の方が有利かと考えます
注:抵抗で電気を熱にする為、相当な発熱量となるのでFANを設置し、強制空冷する事をお勧めいたします
2:メーター回路
可変負荷装置に印加されている電圧、流れている電流の測定用にメーターを設置しました
フルスケール50V、5Aの設定となりますが分圧、分流回路の設定も仕様により可能です
3:保護回路
ショート時の保護としてICの使用も考えましたが設定の変更を考慮してヒューズを使用しました
背面のヒューズケースから切れているか確認も容易に行える設計としました
4:使用した感想
可能な限りシンプルにしたので便利に使用出来ていると思います
不満な部分としてスペース的に余裕を持った作りにしたため少々大きいと使い込むうちに思い始めました
またレオスタットが高価な為、自作される方は金額面での考慮が必要かと考えます
その他は機能として十分満足しているので電子負荷装置と併用して本機が引退するまで使用したいと考えます