リチウムイオンバッテリーの分類と用途2
2021/04/16
住宅用蓄電池
深夜電力、日中の太陽光発電電力で充電し朝、夜間のピーク負荷時を賄うピークシフト用途や、契約電力超過(第三段階電力の回避)を目的としたピークカット用途でリチウムイオンバッテリーが採用されている
大規模災害、停電時の非常用電源用としても需要が見込まれています
ピークシフトは日常的に充放電が行われるため、サイクル性能とエネルギー密度が求められる一方、ピークカット用途では大電流放電するための出力性能が求められる
一般的な家庭では3~5kWh程度の容量が必要とされています
FIT期限切れ後の太陽光発電売電単価下落により、売電を行うよりも自家消費に回したいという方も多くいるので今後、需要は増加していく市場である
家庭用蓄電池としてはリチウムイオンバッテリーの独壇場であるが、非常用電源は使用頻度が低く、バックアップ用途のため、価格の高いリチウムイオンバッテリーではなく、鉛蓄電池を採用している企業がほぼすべてである
商業用蓄電池
商用電力や発電機からの充電を行い、ピークシフト、ピークカット用途や停電時対策としてリチウムイオンバッテリーが導入されている
現状電池容量は20kWh程度が一般的だが、近年の低価格化、実績から拡大が進んでおり、今後100kWh以上も増えている。NAS電池等も採用される事例あり
系統用蓄電池
系統用蓄電池は再生エネルギーの普及に伴い増加傾向
主に変電所等への負担軽減、系統安定化を目的としており、リチウムイオンバッテリーを採用している
その他、マイクログリッド構築を目的とした普及も近年進んでいるが、コスト低減を求められるため普及の速度は遅い
電池容量としては数十MWh程度までの規模で需要があると考えられる
競合電池として、低コスト、サイクル特性が求められるのでNAS電池、レドックスフロー電池や、実績のある鉛蓄電池も候補としてあげられる
非定置型リチウムイオンバッテリー市場
リチウムイオンバッテリーの採用が進んでおり大きくコンシューマ用、動力用、医療機器等その他の分野用に分けられる
活況なEV市場、定置用リチウムイオンバッテリー市場と比較し成長度は劣る
コンシューマ用
主に携帯電話、ノートPC向けが多い
理由として小型、薄型、軽量が進みエネルギー密度の高いリチウムイオンバッテリーの採用が進んだため
また低コスト化要求も強く、携帯電話で10~12Wh程度、ノートPCでは50Wh以下あたりが主な容量となっている
競合は存在せずリチウムイオンバッテリーの独壇場となっている