リチウムイオン電池の充放電量の算出、通信等を行う機構をガスゲージ(FG)といいます

FGは簡易タイプと精密タイプがあり簡易タイプは携帯電話などで採用されているものでパックの電圧を測定し電圧から電池の充電残量を決めるものです

リチウムイオン電池の電圧と残量の関係は
1:放電中の電池インピーダンスによる抵抗損失で電圧は低下する
2:インピーダンスは電池が劣化した際に大きくなるため電圧低下が大きくなる
3:低温では電池インピーダンスが大きくなり電圧低下も大きくなる傾向がある

ここからもわかるように、電圧で残量を算出する方式は目安的なものです
しかしFGに要するコストが安いので簡易な残量表示で実用になる場合にはこれで充分となり大容量の電池パックで電流値が比較的小さい場合などに利用します

正確に電池充電残量を算出するには電池パックの充放電を測定し積分する必要があります
サイクル劣化や温度での変化もあるため充放電サイクルのカウントを行いそれに応じ電池の満充電容量を減少させていくことや電池パック内の温度による満充電容量を増減などを判断すます
これらは制御用ICでの制御することになります
また満充電を行う時点でのリチウムイオン電池の容量データの書き換えも行います

大容量のリチウムイオン電池パックで充電後短時間に放電させてしまう用途の場合FG自体の消費電力はほとんど問題になりませんが携帯電話等の小型の電池パックではFGの消費電力が大きな問題となります
単セルパックは50%充電状態で市場に出荷されると在庫期間を経てエンドユーザに渡ったときにパックが過放電になってしまう場合があります
また初回使用時に動作に必要な充電量が残っていなくてはなりません
在庫期間をどこまでとするかという問題もありますが低消費電力のFGをどう実現するか電池パックメーカー、設計技術者の実力が問われる部分となります

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