サイクル特性

リチウムイオン電池のサイクル特性
リチウムイオン電池は充放電により劣化していきます
その程度をサイクル特性として室温での1C充放電を繰り返し推移を見ると充放電サイクルにより内部抵抗も増大していくため単純に容量の低下だけでなく放電レート特性や放電温度特性についても変化していくことが推定されます

リチウムイオン電池のメーカーが公表しているデータは室温で1C充放電が一般的です
メーカーは通常0.2C放電のときの容量で仕様書上の容量を規定していますが1C放電の容量値は0.2C放電に対し容量値を少なく見積もっていることになります
0.2C放電でサイクル試験を行うと放電に5倍の時間がかかりデータ取得にも長い時間がかかってしまいます
このためサイクルは1C放電で行い、0.2C放電を定期的に行う方法がとられ実際0.2C放電より1C放電のほうがリチウムイオンセルの劣化が早い結果となります

電池が有するべき性能に関して
電池に関しては、一般的には電池メーカーは限定されたデータしか公表しません
しかしメーカーのデータシートを比較するとリチウムイオン電池の仕様が見えてきます

リチウムイオン電池の性能はコストがかけられるならば多くの要求をすることが可能です
低温で大電流放電させるために非常に大きな電池を低電流で使うことはコスト、サイズなど実用的ではありません

リチウムイオン電池に必要な仕様、性能を見直すと要求を緩和できることが可能です
例えば最低限必要な性能を保証すれば実動作は問題ありません
寒冷地の屋外で使うものでない限り低温側は0℃で動けば問題が無いケースが多いはずです

最大電流もモータの起動時に大電流が必要ですが回転の立上り以外は必要ありません
最大電流値は保護回路の設計に必要ですが容量値の検討には必要ではありません

弊社はお客様と一緒になって、低コストで実用的な電池パックを検討、設計いたします

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図はhttps://industrial.panasonic.com/www-data/pdf2/ACA4000/ACA4000CJ247.pdfより引用