リチウムイオンバッテリーを製造する際には必ず保護回路が必要となります
まれに電子回路による保護ではなく温度ヒューズ、電流ヒューズ等により放電電流を止める保護方式もあります

リチウムイオン電池の温度や電流を検出して放電を停止するだけで電池パックの安全が保証されるのは非常に小型の電池パックまたは特殊なセルに限定され18650等のリチウムイオンセルとは違います
通常は保護回路によって種々の状況における事故防止を図る必要があります

通常行われている保護回路の保護の内容は下記の3項目です
1.過充電時の充電停止
2.過放電時の放電停止
3.短絡等の大電流放電の停止

過充電時の充電の停止とは

過充電時の保護は、直列時のトータルの電圧ではなく各リチウムイオンセルごとの充電電圧による保護を行います
例えば2直の場合トータル電圧が4.2V×2=8.4Vですがリチウムイオンセルのバランスが崩れてしまい3Vと4Vのような組み合わせになった場合セルの過充電が発生する可能性があります
そのような事が無いよう各セルの電圧を監視しどこか1本のセルでも過充電であれば充電を停止する機能のことです
過充電保護電圧は通常4.35Vの設定ですが電圧のバラツキを考慮した設定です
セルの充電電圧が4.2Vの場合、充電器は4.2V±0.05V 最大4.25Vがに印加されます
過充電保護電圧設定を4.35Vとした場合マージンを0.05V見込んでいることになります

リチウムイオン電池の電圧が4.35Vになると保護回路働き充電を停止します
電池を放電させて(過充電保護状態のまま放置して自己放電による電圧低下により)リチウムイオン電池の電圧が設定電圧以下に低下すると過充電保護状態が解除され充電が可能になります

またノイズにより検出部の電圧が瞬間的に4.35Vを超えた場合を考慮し遅延を設けます
設定の過充電保護設定電圧を超えたとき過充電保護が動作する設定方法もあります

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