CATL(寧徳時代)の工場の概要3:新工場の建設・拡張計画
CATLは今後も旺盛な需要に対応すべく、大規模な設備投資と工場拡張を続けています
中国国内では第14の生産拠点の建設計画が進んでいるとされ、すでに発表済みの山東省済寧市の新基地(総投資額140億元)では、動力電池および蓄電池システムの生産ラインを敷設し、約1.33平方キロメートルの敷地に24か月以内の工期で建設が進められています
この済寧プロジェクトは2022年後半に着工され、2024年頃までの完工を目指しています
また本社のある福建省寧徳市でも福鼎基地の新設など増産投資が行われ、2020年末には計170億元を投じて福建(福鼎)、江蘇(溧陽)、四川(宜賓)の拠点を拡充する計画が発表されました
この投資により2~4年で120~150GWhの追加生産能力が見込まれると試算されています
海外展開では前述の**スペイン・サラゴサ工場(50GWh)の建設が注目されるほか、モロッコで欧州向けのカソード材料工場を新設する構想も浮上しています
さらに東南アジアや北米での工場新設についても検討が進んでおり、タイ政府との協議やインドネシアでの大規模プロジェクト(現地のニッケル資源を活用した電池バリューチェーン構築)などが報じられています
こうした積極的な設備投資のため、CATLは2025年2月に香港証券取引所への二次上場(約50億ドルの資金調達)を申請し、ハンガリー・スペイン・インドネシアにおけるプロジェクト推進資金を確保しようとしています
CATLは国内市場が成熟しつつある中、グローバル需要の取り込みと供給能力強化に向けた工場建設・拡張戦略を最優先課題と位置付けています