CATL(寧徳時代)の経営者情報1:創業者およびCEOのプロフィール

CATLの創業者兼CEO(董事長)は曾毓群(ツァン・ユーチュン), 英語名ロビン・ツェン氏です
1968年生まれで福建省寧徳市出身の曾氏は、上海交通大学で海洋工学の学士号、華南理工大学で電子・情報工学の修士号、さらに中国科学院物理研究所で博士号を取得したエンジニア出身の企業家です​

曾氏は大学卒業後、福建省の国営造船企業や電子部品工場で10年ほど勤務した後、1999年に仲間とともに香港ATL社(Amperex Technology Ltd.)を創業し
主に携帯電話やノートPC向けのリチウムポリマー電池事業を手掛けました​

ATL社は2005年に日本TDKに買収されますが、曾氏は引き続きATLの経営に携わり、2011年から2012年にかけてATLのEV用電池部門を分離独立させる形でCATLを設立しました​
CATL(寧徳時代)の社名は本社所在地「寧徳」に由来し、曾氏は創業以来トップとして会社を急成長させています​
2017年にCATLを深セン証券取引所に上場させ、中国国内外の自動車メーカーと次々にパートナーシップを締結するなど、曾氏は卓越した戦略眼でCATLを世界最大の電池メーカーに押し上げました​

現在、曾毓群氏は中国を代表する実業家の一人であり、世界の富豪ランキングでも資産約405億ドル規模(2025年2月時点)で39位に位置付けられるなど​、業界内外に強い影響力を持ちます。また中華全国工商業連合会の副主席職にも就いており、中国産業界の意見リーダーとして政策提言などにも関与しています​

その手腕から「バッテリー・キング(電池王)」とも称され、2023年には米タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選出されています(CATLの世界市場シェア37%に達したことが評価された)​
曾氏は技術畑の出身らしく現場志向も強く、海外展開を自ら陣頭指揮するなどリーダーシップを発揮しています
例えば2024年には「海外に打って出よ」とのスローガンを社員に示し、自ら海外プロジェクトの統括に乗り出しています
このように創業者である曾毓群氏のビジョンとリーダーシップが、CATLの成功を支える大きな原動力となっています。