CATL(寧徳時代)主要な技術特性(エネルギー密度・充電速度)

エネルギー密度(蓄電容量)
エネルギー密度は電池の性能を語る上で最重要指標の一つです
一般にNCM系など高ニッケルリチウム電池はエネルギー密度が高く、LFP系は低めです​

CATLの最新技術では、NCMセルのエネルギー密度は330Wh/kgに達し​、モジュールレスの「キリン電池」パックではNCMで255Wh/kg、LFPで160Wh/kgというパックレベルのエネルギー密度が実現されています​
これは従来の設計に比べ飛躍的な向上であり、例えばBYDのブレードバッテリー搭載パックなども含めLFPパックはおおむね120〜150Wh/kg程度とされる中で、CATLは業界最高水準の密度を達成しています​
一方、パナソニック製の円筒型セル(NCA 2170セルなど)は体積エネルギー密度で700Wh/L超、重量あたりでは約300Wh/kg近くに達するとの報告もあり​、セル単体性能ではCATL以外の競合も高水準です
しかしCATLは独自材料(高電圧耐性電解質や単結晶構造など​)やパック統合技術で、実使用上のエネルギー密度を引き上げています
将来的な固体電池や凝縮電池では500Wh/kg級も見込まれており​、エネルギー密度向上の技術競争は激化しています

充電速度(急速充電性能)
近年EVユーザーの充電時間短縮への要請が高まっており、CATLも急速充電性能の向上に注力しています。CATLは2023年に神行(Shenxing)と呼ばれる世界初の4C超高速充電対応LFP電池を発表しました​
Shenxing電池はわずか10分間で400km相当の走行分を充電でき、フル充電時の航続は700kmを超えるとされます​
このようにLFPの弱点だった充電速度を大幅に改善しており、材料改良(ナノ結晶化したLFP正極によるイオン拡散向上など)や電極設計の工夫でリチウムイオンの高速移動を可能にしています​

NCM系電池も従来から高出力充放電が可能であり、テスラやポルシェのEVでは数分台で数百キロ分を充電できる性能が実現されています
例えばテスラModel Y向けのBYD製LFPセルはCATL製より高い充電レートを長く維持できるとの報告もあり​、競合各社も急速充電対応の改良を進めています
CATLはこうした中で急速充電対応と高エネルギー密度・安全性を両立する電池の開発により、ユーザーの「充電時間不安」の解消を目指しています​