CATL(寧徳時代)主要な技術特性(寿命・安全性)
寿命・サイクル耐久性
電池寿命(サイクル寿命)はコストや環境負荷の点でも重要です
一般にLFP電池はサイクル寿命が長く、NCM系はエネルギー密度と引き換えに寿命がやや短い傾向があります
一例として、ある分析ではLFPセルの寿命はNMCセルより約67%長い(サイクル回数ベース)と予測されています
CATLは独自技術で長寿命化も追求しており、「16年または200万km走行」という超長寿命を謳う電池技術も開発しました
これは「ミリオンマイルバッテリー」とも呼ばれ、負極のリチウム消費を抑える技術や正極の被膜劣化を防ぐコーティング技術によって実現されています
実際にCATL製電池はテスラや中国メーカーのEVで高い耐久実績を示しつつあり、長期間の保証を付与する例も増えています
電池寿命に関しては温度管理や充電レート管理(BMS制御)も影響しますが、CATLは高度なバッテリーマネジメントでNCM電池の寿命改善にも取り組み、従来より劣化を抑制しています
安全性
安全性はEV用バッテリーの信頼性に直結する要素です
化学的にはLFP電池は熱安定性が高く、内部短絡が起きても発火しにくい特性があります
実際、BYDのブレード型LFP電池は釘刺し試験でも発煙・発火しないことを実証し話題となりました
CATLのLFP電池も安全面で高い評価を得ており、エントリーEVでの採用拡大の一因となっています
一方、エネルギー密度の高いNCM/NCA電池は外部衝撃や過充電時により慎重な安全設計が必要です
CATLはセルレベルでの補強(Nano-rivet技術による電極固定など)や高精度BMSによる異常検知で、高ニッケル電池でも安全性を確保しています
また冷却システムやモジュール設計も最適化することで、万一一部のセルで熱暴走が起きても拡大しにくいパック構造を実現しています
さらに最近のCATL製品では自己温度制御機能(低温時にセル内部で発熱し温度を適正範囲に保つ技術)も盛り込まれ、極寒環境下でも安全かつ効率的に動作できるようになっています
総じてCATLは化学的安定性の高い材料選定と先進的なエンジニアリングで、安全性の高いバッテリーを提供し続けています