CATL(寧徳時代)の工場の概要1:主要工場の所在地と生産能力

中国国内の主な工場
CATLは中国国内に多数の電池生産拠点を有しています
福建省寧徳市の本社工場はCATL最大の生産拠点であり、年産約120GWhの生産能力を持つと報じられています​
その他、中国国内では江西省宜春市、貴州省貴陽市、山東省済寧市、江蘇省溧陽市、河南省洛陽市、福建省厦門市、青海省西寧市、四川省宜賓市、広東省肇慶市、上海市南汇新区などに生産拠点を展開しており、合計で11箇所の国内工場を運営しています​

例えば、江蘇省溧陽市の工場群(溧陽工場第1~3期および上汽との合弁工場)は同省における主要生産拠点であり、江蘇省全体で約150GWh近い生産能力の一翼を担っています
また、四川省宜賓市の「四川時代」基地(第1期・第2期)も大規模で、四川省の動力電池年間生産能力は将来的に350GWhを超える見通しです
青海省西寧の工場は豊富なリチウム資源に近接し、現状で18GWh程度の能力があります。広東省肇慶市の生産基地は南中国最大級で、第1期完成後に年産25GWhの能力を持ち、2030年までに累計150GWh規模への拡張を目指しています​

海外の主な工場
CATLは海外にも積極的に生産拠点を展開しています
ドイツ東部テューリンゲン州のアルンスタット(エアフルト近郊)工場は、CATLにとって初の欧州工場であり、約18億ユーロを投じて建設され、最終的に年産14GWhの規模を目指しています​
ハンガリーのデブレツェン工場は現在建設中で、投資額約73億ユーロ、計画生産能力100GWhという欧州最大級のプロジェクトです​

また、インドネシアやタイでも生産拠点の整備計画が進められており、タイでは初期6~10GWh規模の工場建設が検討されています​
米国ではミシガン州マーシャルにフォード社との提携によるLFP電池工場(ブルーオーバルバッテリーパーク)を2026年稼働予定で建設中であり、初期年産35GWh(約40万台分のEV向け)の能力を持つ計画です。さらにテスラ社との協業でネバダ州にも生産拠点を設ける計画が報じられています
これらに加えて、スペイン北東部アラゴン州サラゴサ近郊に自動車大手ステランティスとの合弁工場建設が決定しており、2026年末稼働開始・年産50GWh規模を目指しています。