BYD(比亜迪股份有限公司)の経営(経営者と幹部の経歴)

経営者王伝福(ワン・チュアンフー)の経歴
BYDの創業者であり現CEOを務める王伝福(ワン・チュアンフー)氏は、中国安徽省出身の化学者・実業家である。1966年生まれで、​有色金属研究所で材料化学の修士号を取得した
大学卒業後は同研究所で電池材料を研究し29歳で研究所の副主任に昇進するなど頭角を現した
1995年に深圳でBYDを創業した(当時2​9才)
創業当初は二次電池携帯電話用Ni-Cd電池やLi-ion電池)の製造で急成長を遂げ、2002年には当時世界最大の携帯電話メー​カーとなり王伝福(ワン・チュアンフー)氏は技術者出身らしく「他人に淘汰される前に自ら技術を破壊的進化させよ」という信念を持ち、電池技術の内製と絶え間ない改良に邁進してきた人物である
彼の長時間労働と現場主義は有名で、​工具を握る「技術オタク」として、投資家のウォーレン・バフェット氏やチャーリー・マンガー氏からも「激情的なエンジニアであり天才」と評された逸話がある

バークシャー・ハサウェイは2008年にBYD株の約10%を取得して以来主要株主となっており(現在も約6%保有)、王氏のビジョンに対する信頼を示すものと言える

■ 主要幹部の経歴
陣は創業者の王伝福氏を中心に、創業メンバーや自動車業界の専門人材がバランス良く布陣している
共同創業者の呂向陽(ルー・シアンヤン)氏は王氏の従兄弟でBYD創業時に出資を支えた人物であり、現在副​総経理
総務畑出身で投資会社も経営する呂氏は、BYDの資本戦略や上場推進に貢献してきた

もう一人の副会長夏佐全(シャー・ズオチュエン)氏も初期からの幹部で、社内の管理部門を長年率いている。
技術​責任者アン・ユーボー氏が注目される
廉氏は「主席科学家(Chief Scientist)」の肩書きを持ち、電池を含む新エネルギー技術分野の統括責任者である
2024年9月に​BYDの全固体電池の展望について公の場で語るなど、王CEOを補佐して技術戦略を牽引するキーパーソンである
またグローバル市場​でEV事業上級副総裁が欧米・アジア各国での販売ネットワーク構築を主導している

李氏は北米事業など海外経験が長く、欧州における工場設立計画について「2年以内に第3の欧州拠点を​作る」と語るなど、BYDの国際展開の顔ともいえる存在である

その他、デザイン部門には元Audiデザイナー等の多様な人材登用も進めている。